「からだの声の翻訳家®️」鶴木マキ∬しあわせのシグナル∬

日常から不思議な話まで。リーディングってなに?ポジティブってどんな思考?なんてことをつぶやいてます。

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誰かを守るための嘘

GW息子たちは自分のペースで遊びに行ったり、ゲームしたり。
主人は部下の評価をしないとと面接考課をポチポチとしている様子だが進まないらしく、疲れては横になっている。
現実逃避からかCSをつけては過去のドラマが流れていろのだが、懐かしい歌声にふと私もみてしまった。


かれこれ4年前の「Nのために」を一挙放送していたのだ。
このドラマ好きだった。
湊かなえ原作本は、ドラマをみて読んだんだが、もともと湊かなえの話が好きじゃないせいか、やっぱりドラマの方がいい。
テーマソングの家入レオの曲もいい。
歌謡曲をほとんど聞かない私がこの曲だけはスマホにダウンロードしてまで気に入ったのだ。


特段榮倉奈々が好きではないのだが、この「Nのために」の中の杉下希美役はとても良かったし彼女だからここまでこのドラマにのめり込ませてくれたのではないかと再見して思った。
安藤役のかっくん(賀来賢人くん)は「今日から俺は」ですっかりブレイクしたが、それよりもこんな役も出来るんだよーって知ってほしいし、少し前からかっくんはきっと有名になるだろうと思っていた。
安藤望役、とてもよかった。


「Nのために」は文字通り、自分以外のNとつく誰かの為に嘘をつく話だ。


誰かを守るための嘘だ。
殺人事件の犯人が本当は誰かということを解くミステリー作品でもあるが、湊かなえの作品なのでそれぞれの人物にこころの闇がありその闇のために人が死に、各自それぞれ大切なものを守るための嘘をつく。


かっくん扮する安藤は榮倉奈々扮する杉下を好きなのだが、この片想い感が爽やかでいい。
杉下にとって安藤は守るべき存在であるし、自分の中にある闇から自分を生きている世界に連れ出してくれた太陽の様な存在なのだ。
しかし、恋愛感情というよりも守るべき太陽なのだ。


だから最後まで安藤には好きなように生きて欲しいと願う。
彼がこうして新しい世界に飛び出していくきっかけを与えたことも黙っている。
そして自分の余命がもう少ないことも言わない。
安藤が知ったら心配をかけるのが分かっているから。
最後のスマホによる別れのシーンのやりとりはとてもいい。
「生きてる、完璧じゃないけど悪くない」という安藤のセリフに涙する希美。
安藤が元気にしていてくれること、自分とのことは良い思い出として残して貰えることが杉下希美の願いなのだろう。


希美は末期がんなので、本当は自分がこの世からいなくなることが物凄く怖い。
窪田正孝扮する成瀬慎司は高校時代の同級生だが、高校時代の希美の闇を知る。それをいつも支えていた存在なのだが、成瀬は最後まで希美を助ける存在となるのだろう。
高校時代の希美はどんな辛いことがあっても「前を向く!」と言って突き進む芯の強い女の子であった。


それでも殺人事件が起きた時もとっさに電話口で成瀬に助けを求める希美。
彼への気持に気がつくのはその時手を握った場面だろうけれど、それから二人は西崎(小出恵介)が刑期を終えて出てくるまで会うことはない。
その歳月の間に希美は癌になり、成瀬は生れ故郷の瀬戸内海戻り店を開くことになる。


最後に希美が成瀬の店のオープンに駆けつけるシーンでドラマは終わるのだが時間は少ないがふたりは幸せになれるだろういう予感がある。


ドラマを通してみると、西崎の屈折した暗い部分が出てきたり(小出恵介、今ではみることは出来ないけどいい演技していました)野口夫妻の屈折差も浮き彫りにされるのだが、全てをNという頭文字でつないでいるのはやはり原作者が凄いのだろう改めて思う。


自分以外の誰かを守る為に嘘をつき通す。
そんな嘘がつけるだろうか?難しいだろうと思いながらもこのドラマ、どこかで見る機会があればお勧めです。


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