HUMAN LOVE
https://tver.jp/feature/f0021296(←こちらで最新話が見られます)
「おっさんずラブ」が佳境に入っている。
このドラマの話が私のブログ中でやたらに出るが、一週間、これで自分が持っているといっても過言でないのだから仕方ない。(←なんに対する言い訳?)
何がこんなにも熱狂させるかと言えば、王道ラブコメしているから。切なさが半端ない。
誰もが誰かに片思い、という少女漫画的なラブコメ。
恋ってこうだったよな、って。
はるか昔を思い出させてくれるドラマ(遠い目で言う)。
特に視聴者の大半は林遣都くん扮する牧凌太に肩入れしているんじゃないだろうか⁉(それは思い入れが強いせいか⁉)
牧の何が切ないかと言えば、インタビューで林遣都くんも言っているが、
誰よりも(田中圭演じる主人公)春田さんを好きだということを考えて演じている
という点。
春田のためになることを一番に考えている牧凌太。
この一途さ、けなげさに視聴者はやられている
男と付き合うということが今一つ理解出来ていない春田に、
春田さんは春田さんのペースでいいですから。
形だけでなくて、ちゃんと好きになって貰えるように俺、頑張りますから
って。
これを健気と言わずなんという。
春田は自分の感情もきちんと理解できていないところがあるから
牧自身春田がしっかり自分の気持を意識できるまで待つしかない。
それが視聴者を切なくさせる。
牧凌太は繊細な感情の持ち主として描かれているが、なぜにこんなノンケ・鈍感・小学校5年生並みの男が好きなのかよく分からない。が、なにせ主人公はみんなに愛されるのが王道ラブコメ。
2話の副音声で、田中圭と林遣都が一時間話していたけれど、1話目の最後に
牧が春田に好きだとカミングアウトするシーンがあり、そのシーンのことを冗談だからと2話でいうセリフのあと、春田は
「冗談だったの?そうだよなぁ、男同士でキスとかありえねぇ」
っていうようなセリフを吐くわけだが、このセリフに林遣都は副音声の中で
ひどい。
と呟く。
彼は牧目線になっている。色物として「おっさんずラブ」を作っているのではないなとこの言葉からも感じられる。
牧という人物。
ドSな設定となっているが、Sっけがあるのって突き放すことをいきなりするからなんだろうか⁉
自分の彼氏が超ダサい私服を着ているのは許せないということでふたりで買い物に行く。
自分では到底選ばない服を着てご満悦な春田は
これから服はみんな牧に選んでもらおうかな⁉
と言う。世話好きの牧にしたら内心物凄く嬉しいのだろうけれど、
子供じゃないんだから自分で似合うものくらい自分で把握しといて
と。素直じゃないなぁなんてみてて思っていると、春田から
やだ
と。
その答えに
やだじゃねーよ
という牧は嬉しそうだ。甘えられるとわざと意地悪をいう(しかも相手のこころは傷つかない)。楽しそうにしか見えない。
牧凌太の屈折した一面を見るように思えるんだが、基本優しい人間。
いつも敬語の牧がたまに春田に対して使う命令形の言葉使いにこちらはヤラレル。ドSで結構。もっといってくれと視聴者は思ってしまう。
春田の方はLGBTのことを良くわからないから何気なく牧を傷つける。
それでも、この人わからない人だからと春田を受け入れている。
相手の気持ちを考えないとここで喧嘩をしてしまいそうだが。
牧のやさしさ、何よりも春田を尊重しての行動をネットの中で「尊い」という言葉で視聴者が表現する。
相手を思いやる気持ちを教わる作品だ。
牧凌太は昔から同性愛者という設定になっている。
学生時代はおどおどとして自分の意見もいえない。
それがドラマの舞台天空不動産のOB訪問をして武川政宗と会い(現在の武川主任)恋愛関係になる。
主任は春田に
あいつは俺に惚れてうちの会社に入って来たんだ
という。
きっと表面上強気な主任(陰では牧に甘やかされていたに違いない、今の春田のように)、仕事の心得を叩きこんだのも武川さんではないだろうか?
現在の牧は仕事も出来、家事もこなすハイスペック男子として描かれる。
だが学生時代の牧の映像はそのようにみえず、明らかに主任の影響が強いのではなかろうか。
果たして主任のいう別れの原因となった「あんなあやまち」ってなんだろう?と思うのだが(もちろんドラマの中では描かれないから想像をするのだが、職場が本社と営業所でのすれ違いだといっているのが、普通の社内恋愛と変わらない)。
そんな主任は現在別れた牧に未練たらたらなのだがこれを眞島秀和が嬉々として演じている。
実際こんな上司がいたらいいだろうな、って感じのいい男なのにこういう役が大好きなんだろうな。
他にもこのドラマの中のそれぞれの役が個性的で魅力的だ。が、書き出すと止まらなくなりそうなので今日はこれで筆をおく。
誰をも魅了する破壊神主人公と(ヒロインは部長なので、最初はライバルとして描かれる)牧の恋。
5話目のラスト付近で牧がいう
「世間はいつだってうるさいです。でも結局今の自分たちにとって一番大事なことは何かってことだと僕は思います」
あと2回でラストを迎えるこのドラマ。
ふたりの恋には障害があり過ぎて、ハッピーエンドを願う視聴者は一週間を楽しみに待つ。
ついでに言えば、私は天空不動産に転職したい。