「からだの声の翻訳家®️」鶴木マキ∬しあわせのシグナル∬

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映画「パレード」



(↑記事とは関係ないが絵がないのもつまらないので、牧くんのサービスショット。「パレード」の頃よりふっくらとして私的には今の林遣都くんの方が好きかな)


「おっさんずラブ」林遣都沼にハマった鶴木です。
今日はいつもと違う感想文です。


うっかり休日に「パレード」みちゃいました。
8年前ですか。
いやぁ、遣都君の演技が上手くてほんとびっくりです。


今まで林遣都のこと見逃してきて損してました。役柄で偉い違う。
(ドラマみていいなと思う俳優さんがでても、他の作品みて面白くないといいなと思わなくなっちゃう私。
かっこいいから、そういう人はモデルしてて欲しいと切に思う。
だけど、演技もいいと他の作品も気になってしまいます。)


この役は全く「おっさんずラブ」の牧凌太にはみえません(当たり前だけど)。
本当に「男娼のサトル」っているんじゃない?ってところだし、「カラマーゾフの兄弟」の三男坊のような優し気な大学生の雰囲気も全くない。


林遣都=キラキラの男子のイメージがあった私にはびっくりです。
この人役柄で物凄く雰囲気が変わる。
だから今のドラマでも人気が出ているのは彼を起用したことも大きいのだと思ってます。



2010年2月公開『パレード』予告編


映画の内容は、私は面白かった。
藤原達也の叫ばない映画。
香里奈が屈折している役で、あれ、この人演技こんなにうまかったっけ?と思った。
今はみられない、小出恵介。やはり上手いなこの人の演技も。
貫地谷しほりも役柄があっていた。


ルームシェアしている5人。それぞれに抱えるものがあるけれど、当たり障りなく暮らしている。
表面上のお付き合い。
でもそれが心地いいんです。


隣の家が何をしているのか怪しんでみたり、連続通り魔事件が起き犯人がシェアルームの5人の中いるのでないか?という疑惑が生まれる。


最終犯人が偶然シェアルーム内の人物にみつかる。でも、
「大丈夫だよ。言わないよ。でもみんなもう知ってんじゃない。知っていても言わないよ」
そういう。
隠したい自らをそれぞれ隠せていると思っているけれど、言わないだけでシェアルームのみんなは本当はしっているって話。


ラストの全員が犯人に向ける目が怖い。
誰一人笑っていない。
「伊豆、行くよね」
この最後の数分をみせるために最初から色々と仕込んでいる。
有無を言わせず、この表面的な付き合いを演じ続けることを強要して映画は終わる。


ラストをみて怖い気持になったが、印象に残る映画だと思った。


このシェアルームはチャットルームのようなものだと琴美がいう。


それを聞いていて、こうしてブログを書いては、人のところに行き読んでいる自分も同じだなと思う。


ここもチャットルーム同様。
仮面(この名前ね)を付けている。
文字だけのお付き合い。
それと同じことをルームシェアの形でやっている映画と言えばいいのか。
重なるところがあり、当たり障りなく過ごすときあり、みなこころに抱えるものをじっと自分の中であたためている。
それを投げ出すなんて出来ないし許さないのだろう。


誰も本当のサトルなんて知らない。お前の見ているサトルと俺の見ているサトルは同じではない。
そんなことを言っている場面がある。


見えているその人は本当にその人であるか混乱をきたす。


琴美は恋愛依存症なのに、晴れて好きな人とゴール目前の予感の中自ら降りてしまうし、サトルはひどいアザがあり、他人のものを勝手に物色する癖がある。


それがもとで些細な出来事が起きるのだが。
オカマバーにばかり入り浸り飲んだくれている未来は子供の頃の自分から抜け出せない。


そして、一番まともだと思っていた人が一番闇が深かったという落ち。


いい人なんていないんだよ。
人は自分の罪は自分で背負って生きないとならない。
みんな知っていて知らぬふりなんだよ。
謝って赦される訳ではないんだよ。
そんなラストを思わせる映画。怖かった。

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