友人のお店
今日は若い頃からの仲間のお店に行きました。
彼は脱サラをして、ずっとやりたかったラーメン屋を始めました。
お店は順調にお客さんを増やし、昔から彼を支える恋人と晴れて所帯をもちました。
私たちは何度も彼のお店が終わる頃にお酒を持ちより押し掛けました。
いつも気持ちよく迎えてくれる二人でした。
だけど今から2年前に彼は脳梗塞で倒れ、右側に麻痺が残りました。
もう右手ではしをにぎれずお店は閉めてしまいました。
献身的な奥さんのおかげて彼はああして今日も閉めたお店で私たちを迎えてくれました。
あれは凄いことだと、彼も奥さんも。
お店を、借り主から借りてすごすこと。
多分引き払ったら、彼らは田舎の親の元に帰るのかもしれない。
あの閉めた店は、彼らの希望。
多分行った誰もがそう思っている。
そしていつも気持ちよく迎えてくれる、ふたりだから私たちも、彼の元を訪れる。
あと何度ああして会えるのか⁉
今回右首の所に一筋の傷があった。
右大動脈を手術で切ったのだ、
血管が詰まりやすくなっているので散らしたそうだ。
逆が詰まると、今度は左側の麻痺がおき、寝たきりになるという。
手をふって別れながら、いつまでも寄り添い支えながら生きる彼らは大変な生活をしているのだろうと思った。
少しすると寂しくなって私たちのにぎやかな声が聞きたくなるだろう。
またみんなで押し掛けたいと思っている。
しかし、ちょっと飲みすぎた。