50代、どう生きるか?④
(前回の続きです)
老いていくことで得るものがある。
老いて死に近づくことは
若いうちなら苦しむことを
苦しまない様にならしていく
行為でもある。
徐々に食も細くなり
だんだんと眠りも浅くなり
夢とうつつが交差してくる。
だんだんとからだの自由が奪われる。
そしてそれが当たり前に思えるようになってきて
だんだんと死を日常の中で意識してくる。
親をみていると
昔は怖かったのに、
今では穏やかになったものだと
思う。
まさに老いがそうさせている。
そして老いていく親をみながら
段々といろんな欲がそぎ落とされていくのを
みていると、こうして仏様に近づいていくのだな、
とそんな気持ちになってくる。
老いることは仏のこころに近づける。
だから日本人は仏式で式をあげることが多いのだろうか?
亡くなった人を「仏様」と呼ぶが文字通り
こころの方でも準備して召されていくようにできている。
色々な執着が消える頃、
仏のこころになるのだろう。
ほとけになるとは、
案外悪いことではない。