クワガタの生涯
生物部の息子。
今年何度目かの高尾山野宿をしてきた。
こんな時期に何がとれるのだろうか?と思っていると
メスのクワガタを持ち帰った。
見つけた瞬間友人と
「(嫁に)行き遅れたな」
と言ったそうな。
この種類のクワガタ、越冬できない。
高尾山。夜は既に寒い。
気軽に日帰りできるけれど涼しい。
この時期にこの個体がいることが凄いのだと息子はいう。
「その上こいつ。欠けてるところもないし」
そう。虫は痛点がないから捕まえてみると
からだの一部がかけていることもよくある。
しかしメスにしては大きい上にきれいな姿のまま。
水曜日にはきれいな形で虫ピンに刺されるのだろう。
夜行性なのか昼間はじっとしていたが、今はゴソゴソとしている。
なんだかその姿は切ない。
このクワガタの一生ってなんだったんだろうな…と。
きっと私たちも同じなのかもしれないな。
私たちを作った存在はきっとどこかから私たちを見ている。
そしてこの儚い命を切なく感じているのではないだろうか?
それでも私たちは一生懸命もがきながら生き続ける。
それはそれで素敵なことなんだな。